信頼が崩れると言葉は届かなくなる

2026年4月29日(水)


八年ぶりにお寺の二階講堂で被災地復興支援の音楽フェス
IKIMASU ROCK JAPAN が開催されるということで
懐かしさと共に久しぶりの賑わいに期待を寄せていました。

前回と同じ主催者から能登地震支援チャリティーと
聞いたので、会場提供というかたちで支援をする
ご縁をいただけることをありがたく思っていました。

前日の会場準備が終わったあとに講堂に入ると
舞台の様子を見た瞬間に思わず「あれ?」と
違和感を覚える光景が目に飛び込んできました。

前回は養生して使っていたはずの舞台がそのままで
お寺の備品もいつの間にか動かされて使われており
少々であれば目をつむりますが、さすがに驚きました。

翌朝スタッフさんたちが会場入りしてきたタイミングで
舞台の養生と舞台上の扱いについて主催者に確認し
他にも気をつけてほしい点をその場で伝えました。

主催者は舞台上で空手の演舞をされる予定だったので
空手道場に上がるときにはどうするのかと尋ねると
「裸足で上がります」との返事が返ってきました。

この舞台も土足禁止だけど、どうするつもりなのかと
尋ねたら「靴を脱ぎます」という返事でしたが
養生したうえで上がるようにすることを伝えました。

その場では「わかりました」と返事をもらったので
一応は理解してもらえただろうとは感じたものの
どこか「本当に大丈夫かな?」という感覚が残っていました。

フェスが開演してしばらくして時間ができたので
顔をのぞかせに行くと、演奏は盛りあがっていましたが
舞台の上に目をやったときに言葉を失いました。

最初は演奏者が裸足でシタールを演奏していたのですが
別の演奏者を呼び寄せたところ、靴を履いたまま
ためらうことなく舞台に上がって演奏に加わりました。

さらにその後も舞台に上がる出演者の中には
会場内を裸足で歩き回ったまま舞台に上がる人もいて
見ているうちにすっかり気持ちが離れてしまいました。

そこからはフェスの音楽に耳を傾けることができず
どれだけ想いのこもった演奏や言葉であっても
心に響かないし届かなくなっている自分がいました。

かつて法話の研修で先生がおっしゃっていたことが
まさしくいまの自分の状態ではないかと思えてきて
ジワジワ腑に落ちていくような感覚がありました。

そして同時に、自分自身のあり方についても
改めて問い返されるような気持ちになりました。
自分は大丈夫だと言い切れるだろうか…と。

今回、一度「あれ?」と不信感を抱いてしまうと
たとえどれだけ想いのこもった言葉だったとしても
心に届かなくなるのだと思い知らされました。

それと同時に、憤りや怒りといった感情もまた
抱えたままでいるのはエネルギーが必要なので
身も心も消耗することをあらためて感じさせられました。

すっかり疲れましたが、今回のご縁を通して
感じたことを少しずつ自分の中で整えながら
これからに活かしていきたいと思います。