見て育った供養のかたち

2026年3月21日(土)


ご法事のあとお参りの方とお話をしていますが
今回は「お供えのお膳を見せていただけますか」
と尋ねられたのでお寺のものをご覧いただきました。

お寺でご法事があるときにはお膳台のうえに
一汁三菜の精進料理のお霊供膳(れいぐぜん)を
用意しておいてお供えしておつとめをしています。

仏さまにお供えするので仏さま側に向かって
お膳台の縁にかけるようにして箸を置いて
飯椀と汁椀と高坏と壺椀と平椀を並べています。

今回ご覧になりたかったのは精進料理の中身で
お寺ではどのようなお料理をお供えしているかに
興味があって参考として知りたかったようです。

お尋ねになった方のご実家はご法事やご命日に
必ずお仏壇にお霊供膳をお供えされる習慣が
あったので子どものころから馴染みがあるらしく。

加えてお盆になると毎日ご先祖さまにお霊供膳を
お供えされていたということで、ご先祖さまを
とても大切にされているご家庭でお育ちでした。

その家での習慣だったり地域的な習慣でしょうが
子どものころから接しているとそれが当たり前らしく
見て育ったようにやらないと落ち着かないそうです。

感心しながら話を聴いていると「まだまだですよ
お盆になると朝昼晩と三度三度お供えされる
ところもありますから」と言われて驚きました。

こうして丁寧にお霊供膳をご用意されるのは
普通に食事をつくるのとあまり変わらないので
それなりに手間がかかるし時間もかかります。

でもその手間ひまをかけて用意している間は
亡き方のことを想う大切な時間となっていて
真心をこめたご供養のひとつの形でしょう。

供養のかたちというのは地域やご家庭によって
それぞれの営みかたに違いがあるでしょうが
お霊供膳をお供えする習慣はありがたいものですね。