坊さんが観た『ほどなく、お別れです』

2026年2月6日(金)


先日の坊主BARで教えてもらった映画を公開初日に
観てきました。浜辺美波さんと目黒蓮さんが
葬祭プランナーを演じた『ほどなく、お別れです』です。

2018年に小学館文庫小説賞を受賞した長月天音さんの
同名小説が原作で、基本的に小説に基づいたお話ですが
浜辺美波さん演じる清水美空がスゴいんですね。

幼いころから亡くなった人を見ることができて
その人と会話することもできるという特性があって
この見えて話ができることが一つの鍵になっていました。

実際にもこうした感性というか特性をお持ちの方は
いらっしゃるかもしれないですが、小説の中でも
映画化されても主役だというのは興味深い設定です。

公開初日だったので映画をご覧になっている方が
この特性をどう感じていらっしゃるのだろうか…
と気になりましたが、違和感なさそうでした。

誰もが大切な人といつか別れるときがくるのは
避けられないことですが、坊さんである私は
立場的に普段から接することが多いんですよね。

死ぬ人と別れの場面が映画の主題として描かれるのは
2008年に青木新門さん原作の『納棺夫日記』が
映画化された『おくりびと』以来な気がします。

目黒蓮さん演じる漆原礼二は葬祭プランナーですが
司会もすれば納棺もできるというレアキャラ設定で
映画のなかでは目黒さんの所作が美しかったですね。

彼の声そのものもトーンも響きもピッタリでしたし
愛情深い人なのにSキャラというのが最高でして
目黒さん以外考えられないというはまり役でした。

映画の中には最低限ですが僧侶も登場していて
浄土宗だろうなぁと感じる場面もありました。
ただ、お別れの場面で宗教者不在なのは残念でした…

東京ではこうした形が主流なのかもしれませんが
私の感覚的な印象では、現実の場面ではお別れのとき
もう少し関わっているのではないかと感じました。

ちなみに「ほどなく、お別れです」という言葉で
出棺前のお別れで棺の蓋を閉じるという場面には
私の限られた経験では出会ったことがないですね。

また、映画の演出だから可能になるのでしょうが
葬祭プランナーが現場アレンジをこの映画のように
やってしまうとその後の予定が押して大変でしょう。

どうしても坊さん目線でアレコレとツッコミたくなって
映画に没入というか集中しきれなかったのですが
葬祭プランナーの映画というのはありがたいことです。

きっとこの映画を観たら「やっぱりお葬式をしよう」と
思ってくださる方が増える可能性は大きいでしょうから
遺族や故人に寄り添ったお葬式が増えるのは大歓迎です。

観る人によって考えることや感じることが違いそうなので
映画をご覧になったらぜひ感想を聞かせてくださいね♪