戒名はなくても供養の心はある

2025年12月24日(水)


数年前に紹介をいただいてお母さまのご葬儀を
おつとめしたとき、お子さまたちが相談して
戒名は授けてもらわなくていいと言われました。

もしかして戒名料を気にされたのかと思って
私のお寺では戒名料をいただかないとお伝え
したのですが、費用云々ではありませんでした。

お葬式で仏弟子となる儀式を執り行ったとき
戒を授けた証しとして戒名を授けているから
もしよろしければお授けしますと伝えましたが。

和尚さんのお気持ちはありがたいけれども
みんなで戒名はなしにすると決めたので
戒名なしでお葬式してほしいと頼まれました。

皆さまで相談して決めたということだったので
ご要望に沿って戒名はお授けしないけれども
お葬式は普段と同じようにお勤めしました。

先般お父さまが亡くなられたと連絡があって
お通夜に伺ったら、お母さまのときと同じく
お父さまも戒名なしでお願いをされました。

そのご要望どおりお父さまも戒を授けるけど
戒名はお授けしないことにして、そのほかは
普段と同じ内容でお葬式をおつとめしました。

先日お父さまの四十九日の法要をおつとめしたら
位牌をつくりたいけど俗名でも構わないかと
尋ねられたので問題ないですよと答えました。

せっかくならお父さまとお母さまお二人を
一つの位牌に並べた夫婦位牌ということも
できますよとお伝えしたら「いいですね」と。

そのとき「もし将来的にご両親の戒名を
授かりたいという時にはお授けするので
おっしゃってください」と申し添えたところ。

「必要になったらお願いしますね」と
私の言葉を受けとめてくださったので
お伝えしておいて良かったと安堵しました。

「次は一周忌をよろしくお願いします」
ということなので戒名はなくてもご供養は
してくださることをありがたく思いました。