アメリカでの仏教チャプレン体験を聴く

2025年12月10日(水)


臨床仏教研究所が東京グランドホテルで主催する
公開研究会を拝聴し、第8期の臨床仏教師の
認定式に参加するため早朝に広島を発ちました。

公開研究会ではエンジニアから仏教チャプレンに
転身してペンシルベニア大学病院でチャプレンとして
10年間活動された古村栄伸師の体験を拝聴しました。

50歳を超えて次の職としてチャプレンとなることを
目指して渡米して仏教系のあるナローパ大学で
神学の修士号を取得されてチャプレンとなられて。

3年間の現場研修を経て他者の苦しみに寄り添う
仏教チャプレンとして入院患者や救急外来を含む
外来患者や家族やスタッフのケアをされたそうです。

アメリカのチャプレンは宗教や宗派の違いを超えて
専門職として宗教者がスピリチュアルケアを行うのが
普通だというのはさすが多様性の国だと感じました。

800床ある病院内の80床の患者や関係者を担当して
患者や家族に寄り添って苦を傾聴するだけでなく
看取りに立ち会うし職員の心のケアにも携わるそうで。

求められた場合には宗教的なケアもされたそうで
日本人は臨終に僧侶が立ち会い読経するのは断るけど
多くのアメリカ人は宗教的な祈りを求めるそうです。

スピリチュアルケアの現場での姿勢や在り方を思うと
仏教の教えと病院チャプレンは相性が良いのだそうで
仏教チャプレンには他にない強みがあるということでした。

スピリチュアルケアが日本では公式に医療の一環とは
認められていませんが、医療現場以外で活動の場を
開拓している臨床仏教師には大いに期待しているそうです。

古村師の10年間の体験に基づく仏教チャプレンのお話は
学ぶことがたくさんあったし大いに励みにもなりました。
貴重なお話からの気づきを今後に活かしていこうと思います。