自閉スペクトラム症の「生きにくさ」
2025年10月18日(土)
久しぶりに母校の同窓会に参加してきました。
児童精神科医による『自閉スペクトラム症
「生きにくさ」』についての講演がありました。
かつては自閉症とかアスペルガー症候群などと
分類されていたものを自閉スペクトラム症として
連続している特性として包括的に呼ばれていて。
今ではおよそ30人に1人程度いらっしゃるという
ことですが、具体的にどの特性を持っているのか
というのは専門的でもすぐに診断はできないそうです。
社会的なコミュニケーションや対人関係の困難さや
興味が限定されたりこだわりが強いとか反復行動する
などの特性があるということの説明をいただいたあと。
そうした特性を持っている人たちが自分の特性を
どのようにかくして周囲に溶け込もうとしながら
日々を過ごしているのかというお話がありました。
周りから浮かないように周りに溶け込もうとして
空気を読むというのは誰でもやっているけれども
溶け込もうとする努力の度合いが全く違っていて。
24時間365日ずっと「いまどうしたら目立たず
溶け込むことができるか」と常に考えていることの
大変さを想像してもらえたら…というお話でした。
その周りに合わせようとして自分の特性を隠したり
無理をして普通に振る舞おうと努力されているのを
「カモフラージュ」という言葉で表現されていて。
生き延びるために自然のなかで目立たないように
カメレオンが身体の色を変えて溶け込もうとする
というのと同じく生きるための適応だそうです。
似たような特性を持っている方と接することが
時どきあるのですが、最初は非常に緊張されていたのが
最近では幾分か緊張がほどけてこられているようで。
その方が個人的な特性としてそうなんだというのを
ありのままに受けとめていこうとしていることが
何かしらご理解いただけてきているのだろうと思います。
ということを講義のあとで講師の先生にお話したら
そういう場をつくるというのはとてもステキなことで
どうぞ続けるようにしてくださいということでした。
みんな違ってみんないい、とよく言われていますが
違いを尊重して違いを認め合うということについて
また違った角度から解像度を高められたひと時でした。