顔を隠して頭隠さずの大仏さま

2025年6月16日(月)


今回の北海道訪問はエスコンの交流戦観戦だけでなく
北海道のお墓と納骨堂を視察してくるのが目的で
その一環として真駒内滝野霊園に足を延ばしてきました。

北海道の納骨堂を検索していて調べているとき
頭大仏というキーワードが出てきて何かと思ったら
安藤忠雄設計の大仏殿の大仏さまの別称でした。

この霊園に元々あった屋外の石像の大仏さまの
大仏殿を建築家の安藤忠雄に設計を依頼したら
地面に埋まって穴の開いた建物になったらしく。

本来は大仏さまが中に鎮座する建物となるはずが
大仏さまより背の低い打ち放しコンクリート造で
頭が屋根から突き出すつくりになっているんですね。

この大仏殿はコンクリートの上に土を盛っていて
周囲の豊かな自然に溶け込むドーム状の丘から
大仏さまの頭だけ突き出して見えるようになっています。

平等院鳳凰堂の阿弥陀仏は池の対岸から顔が拝めるし
東大寺大仏殿の盧舎那仏は年に数日限定ですが
窓が開いて外から顔が拝めるようになっています。

それを真似したとかオマージュしたとかいうのは
わかりませんが真駒内の大仏さまは遠くから
頭が突き出して見えることから頭大仏と呼ばれています。

正面の手水鉢はスッキリとしたステンレス製で
ひしゃくもオシャレなデザインになっていて
参道を歩いていくと壁の中央に出入口があります。

拝観料を払って入ると横長な長方形の池があって
池の周りを歩かないと大仏さまに向かうトンネルに
入れなくなっているのは空間的な仕切りでしょう。

ドーム状の丘にあるトンネルを進んでいった先に
上に穴の開いた半球状の空間があってその中央に
大仏さまが鎮座され周りを巡れるようになっていました。

遠くに頭が見えていたときから大仏さまのお顔は
ずっと隠れていたのですがトンネルを抜け終えて
間近にお参りして初めて大仏さまのお顔が拝めます。

頭はずっと見えていたのに大仏殿に近づいたら
蓮台に結跏趺坐される大仏さまの下側の半身しか
見えなくなりトンネルを抜けると全身が現れるんですね。

実際に大仏殿に参拝してみて初めて安藤忠雄の
手掛けた空間デザインを体感できるのですが
写真を見ただけではわからないことが多いです。

札幌市内にあるといっても自然豊かな地にあって
アクセスには大いに難ありですが外国からの
観光客も団体でもけっこう訪れていたんですね。

ぜひ札幌郊外まで足を延ばしてみてください♪