倒れたままの姿のお墓に手を合わす
2025年4月8日(火)
お檀家さまに頼まれ車を走らせて山間にある
地元住民用の墓地まで納骨廻向に伺いました。
ちょうど桜が散り始めで花吹雪がキレイでした。
九州にある菩提寺さまのお墓に納めてあった
お父さまとお祖父さまの骨壺を取り出して
広島のお墓に改葬された納骨のおつとめでした。
前にお母さまが亡くなられて納骨されるとき
菩提寺さまからの紹介でご廻向を頼まれて
納骨のご廻向に伺ったことがあったのですが。
墓じまいにしてはお墓を倒したままというか
崩したまま放置されたままになっているような
お墓がいくつもあったので不思議に感じました。
墓じまいをしたあとは墓石を撤去したのちに
地面をキレイに整えてあるのが普通ですが
墓石を撤去していないのはなぜだろう…と。
納骨のご廻向を終えたあとで墓石が倒れている
ままになっているんですねという話をしたら
「土砂災害で崩れたままになっているんです」と。
その言葉を聞いて数年前の豪雨災害のとき
土砂崩れが起きて墓地の一部が被災したけど
幸いお墓は無事だったと聞いたのを思い出しました。
墓地の上に続く山の峰を越えた向こう側は
土砂が崩れた被害が大きかったそうですが
墓地側にも土砂と倒木による被害が出たそうで。
まさに今回の納骨のご廻向に伺ったお墓の
すぐ右隣の小道から右側にあった一帯は
上から下まで土砂に押し流されてしまっていて。
元通りに復旧されているお墓もありましたが
ほとんどのお墓は墓石が寄せ集められただけで
残った墓石たちが崩れたままになっていました。
元通りになっているお墓は地元に残っている
家の人たちのお墓だそうで地元を離れた家は
お墓がそのままになっているということでした。
切ないけど諸行無常としか言い様がなくて
何かしたいけどどうすることもできないので
流されたお墓に手を合わせてお念仏してきました。