当たり前に思っていたけど

2025年3月1日(土)


奥さまの四十九日法要をお勤めしたあとで
最近どうですかと伺うとお葬式をした頃から
体重が10キロも減ったとおっしゃいました。

割と恰幅の良いご主人なので言われないと
10キロも痩せたようには見えないですが
喪服がすっかりダボダボになったそうです。

いままで何もかも奥さまに頼りきりだったので
食事を支度して出してもらって食べるのが
当たり前だったけど今は当たり前じゃなくて。

お腹が空くから自分で食べるしかないので
何とかして食べるには食べているけれども
少しずつ体重が落ちてきているらしくて。

ご飯だけじゃなくて洗濯も掃除も頼りきりで
何もかも自分でやらなくちゃいけないのが
こんなに大変だとは思わなかったそうです。

奥さまにあれこれやってもらっていたおかげで
日常生活が支障なく送れていたということに
いまさらながら気づかされたということでした。

じゃぁ奥さまだけがやっていたことばかりか
というと日常生活の細々としたことはそうでも
ご主人がやっていたことというのもよくあって。

家電が動かなくなったとか電球が切れたとか
そうした場合にはすべて何でもご主人に頼んで
直したり交換したりしてもらっていたとか。

ご主人が亡くなられてからは誰かに頼んで
やってもらわないといけなくなったので
実はご主人にも頼っていたと聞くこともあります。

日常生活のふとしたときに困るというのは
奥さまを亡くされてもご主人を亡くされても
どちらでもそれぞれに頼っていたことがあって。

亡くなって必要に迫られるようになってから
これまで何も言わずやってくれていたことに
遅ればせながら気づかされるものなんですね。

当たり前のことが実は当たり前じゃなかった
ということに当たり前じゃなくなってから
初めて気づくということだらけなのでしょう。

人の話を聴いてそうだなぁと思っていても
いまある当たり前は実はそうじゃないんだ
ということを忘れないようにしないと…

と思っていてもすぐ忘れるんでしょうね…