健康なときに人生を問い直して生きる
2025年2月7日(金)
昨日の僧侶のためのグリーフケア連続講座in広島の
最終特別講座「てらつな」の終わった後の交流会で
ALP (Advance Life Planning) というのを聞きました。
ひと頃ポスターが物議を醸したりしたことで
ACP (Advance Care Planning) というのが
大事だという話題をよく耳にしたことはあります。
年齢を重ねて病気を発症する可能性が見えてきたり
発症したあとでどんな医療やケアを受けたいか
受けたくないかを考えることなどだそうでして。
ケアという言葉があるので医療を必要としたり
介護や介助などが必要となったりすることが
考えられる人たちが対象のようなイメージがあって。
自分には関係ないとかまだ必要ないといって
先送りにしたり敬遠したりしたくなるけど
考えておいた方がいいだろうけど…という印象です。
仏教でいう四苦の三つにあたる老と病と死について
自分は元気だと思っていたら考えたくないだろうし
そればかりでは気が滅入るという人も多いでしょう。
介護や介助が必要な人の現場に関わる人たちからは
早めにACPを考えておいた方がいいとよく言われますが
今回聞いたのはACPよりも前にALPが大事という話でした。
子どものころ大人になったら何の仕事がしたいかとか
どんな大人になりたいかと聞かれることはあっても
大人になってからは尋ねられることがまずありません。
大人になってからいつまでも夢を語っていると
「大丈夫?!」って思われることが多いでしょうが
何歳になっても夢があるというのは良いものでして。
大人になってから想い描く自分の未来の姿とは
自分は何を大切にして生きていきたいと思っていて
どんな人生を歩みたいと思っているかとも言えます。
そうしたことを考える機会はあまりないでしょうが
私の場合はお通夜やお葬式でどなたかの死に接して
その場に参列した人に問いかけるようにしています。
自分もいつか死ぬんだと最も感じられる場の一つが
大切な家族や友人や知人などの臨終や葬送の場です。
誰かの死に触れたときこそ自分の死も想うことができます。
そうした死を見つめる場に臨んだり触れたときこそ
命や生を見つめ直すことができて自分が何を大切にして
どんな人生をどう歩んで往きたいのか考えることができます。
それこそがALP (Advance Life Plannning) でもあって
死を見つめ生を見つめることで生き方を見つめ直せて
人生観や死生観を持って生き直していくこともできるでしょう。
ということで今回の「てらつな」というご縁を通して
ALPというステキな言葉に出逢うことができました。
多くの人に知っていただきたいと思いここに綴っておきます。