仏さまは好き嫌いを言わない

2025年1月15日(水)

250115
広島の廿日市は今ある「けん玉」の発祥地で
2014年から世界大会が開催される聖地ですが
その廿日市のお檀家さまに最中をいただきました。

「和尚さん、ご存知ですか?」と言われたとき
「え〜何ですか?」という答えを期待されている
というのが伝わってきましたがウソはつけなくて。

「あ、これ、けん玉もなかですね」と答えたら
少しガッカリされたようだったので申し添えました
「ご期待に添えなかったようでごめんなさい」と。

お菓子の包み紙を開けると「けん玉」の形をした
もなかが入っていて玉のところは餡がギッシリと
詰まっていてその餡の種類が5種類あるんですね。

廿日市のお檀家さまのお宅に祥月命日のご廻向に
伺ったときに手土産としていただいたのですが
お仏壇にもけん玉もなかがお供えしてありました。

奥さまが「主人は最中が嫌いだったんですよ」と
仰ったら隣にいた息子さんがすかさず「親父が
嫌いだったんなら供えなきゃいいのに」と言われて。

私も心の中で(そうですよね〜)と思っていたら
奥さまは「和尚さんに食べてもらいたかったのよ。
あっちだと好きになったんじゃない?」と返されました。

(お気持ちに応える反応じゃなくてゴメンナサイ)と
改めて心の中でお詫びの思いが浮かんできながらも
(へ〜そういう考え方もあるんだ〜)って思いました。

最中を食べたとき最中の皮が口の中の上の部分に
ペタッと貼り付いてしまうことがありますが
亡きご主人はそれが嫌でお嫌いだったそうです。

いつもは私が極楽にご往生された方は阿弥陀さまの
ところにいらっしゃるので仏さまのような心に
きっとなっていらっしゃると思うと言っていますが。

このたびは奥さまからご主人は仏さまのところに
いるのだから好き嫌いをこだわらないはずでしょう
と言われて(なるほど〜)と感心させられました。

今でも会えないのは寂しいとおっしゃいますが
ご主人を想っていらっしゃるお気持ちに触れて
ホッコリした気持ちにもなったというお参りでした♪