目の前の人の気持ちに耳を傾ける
2024年11月7日(木)
大切なひとを亡くしてお葬式をおつとめしたあと
いろいろな手続きに追われて忙しくしていると
四十九日の頃まで慌ただしいという方は多いです。
そのためやらなければいけないことが多くて
あれをしてこれをしてと考えることが多いので
他のことに気を向ける余裕があまりないらしく。
心に余裕がないおかげで大切なひとがいない
ということを感じたり向き合ったりする時間が
ほぼないまま四十九日を迎えることもあるようです。
ところがいろいろな手続きが一段落してくると
大切なひとがおられないことにはたと気づいて
寂しさや孤独を感じたりする人がいらっしゃいます。
一方で病気やお身体の具合などで家を離れていて
病院や施設に入っていらしたまま亡くなられると
まだ亡くなった実感がないままの人もおられます。
この亡くなった実感が湧かないという場合には
いらっしゃらないけどいらっしゃる感じもして
頭と気持ちがチグハグでモヤモヤしがちです。
いずれにしてもこういう自分っていいんだろうか…
ということをボソッとおっしゃることが多いので
これじゃダメと思わなくていいとお伝えしています。
いま自分が感じたり抱いたりしている想いは
そのひとが大切な存在だったから湧いてくるので
自然な心の反応だから評価する必要はないんですね。
とはいえ自分を責めてしまいがちになることが
往々にしてよくあるけどいま自分はそうなんだと
ありのままに受けとめていいと申し添えています。
こういうことをお話して伝えられている背景には
グリーフケアについて学んできたことに加えて
臨床仏教師の学びで得た体験のおかげもあるでしょう。
浄土宗も含めてお坊さんになるための学びのなかで
もっとこうしたことも学びとして触れられるような
環境が整っていったらいいのになぁと思います。