亡き人は今でも守ってくれている

2024年9月12日(木)

240912
ご主人の十三回忌のご法事に奥さまと息子さまと
二人のお孫さまがお揃いでお参りくださって
一緒にお経を読んでお念仏してお勤めしました。

どんなお祖父さまだったかお孫さまに尋ねたら
2歳のころ宮島に連れていってもらったことがあると
上の男の子が昔のエピソードを話してくださいました。

自分は幼すぎて残念ながら記憶には残ってないけど
認知症を患いはじめた頃のお祖父さまに連れられて
二人きりで突然の宮島小旅行をされたそうです。

「ちょっと出てくるね」と言われた奥さまは
少しその辺を散歩してくるのだろうと思ったけど
なかなか帰ってこないからとても心配されていて。

でもどこにも見当たらないし段々日は暮れてくるし
誘拐でもされたのかと不安な気持ちにもなっていたら
夕方になって「ただいま」と戻ってこられました。

2歳のお孫さまはまだオムツが取れていなかったけど
オムツを汚していなかったからきっとお祖父さまは
再々トイレのお世話をされていたのには驚いたそうです。

息子さま曰く「自分にはとても厳し父だったけど
孫には信じられないくらい優しくて甘かったし
ものすごく大切に可愛がってくれていましたよ」と。

「父が宮島にいきなり連れて行ってたのは驚いたけど
母は母で下の孫を連れて出かけてホテルのカフェに寄って
オレンジジュースを飲ませていた事件があったんですよ」とも。

息子さん夫婦にはどこに行くとも何も言ってなくて
しばらくしてお子さんが「この前お祖母ちゃんにね…」
と言うのを聞いて初めて知って驚いたことがあるそうです。

祖父母にとても可愛がっていただかれたお孫さまは
記憶にはない頃だけど特別なエピソードがそれぞれにあって
お二人ともとてもステキな青年になっておられます。

息子さまが「こんな風に可愛がってもらった経験は
道を踏み外しそうになってもじいちゃんばあちゃんの
顔が浮かんで思い留まるんでしょうね」とおっしゃいました。

こうして自分の在りし日のエピソードを懐かしんで
思い出して語って偲んでくれているこの模様を
ご主人はきっと喜んでご覧になっていることでしょう。

自分のことを愛してくれて大切にしてくれた人を
悲しませたらいけないという想いが浮かぶというのは
今でも守ってくれているってことなんですよね。

祖父母に慈しんでもらった経験ってありがたいですね。