混沌の海に沈むも魅了される物語
2024年8月22日(木)
ひさしぶりに映画館で映画を観てきました。
森山未來さん主演というので気になっていた
先週末に公開された『大いなる不在』です。
幼いころに母と共に捨てられた息子の卓(たかし)役が
森山未來さんで卓の父役が藤竜也さんなのですが
予備知識なしで観ると冒頭から???でした。
えっ?これはテロか強盗か何かの事件なのか?
と思っていたら父がカバンを持って玄関から
出てきて困惑するというオープニングでして。
父と共に暮らす義母が出てきたり妻が出てきたり
観ていくうちにお互いの関係が紐解かれますが
過去と未来が混ざり合うのにも困惑させられました。
でも混沌としながらもなぜだか目が離せない展開で
しだいに認知症が一つのキーワードだと気づいて
認知症のような諸々が混沌とした世界観が続きました。
森山未來さんの冒頭の演劇ワークショップの場面は
そのシーンだけでなくフルサイズで観てみたいくらい
身体表現がカッコ良くて興味深かったんですね。
ところが次第に藤竜也さんの演技から目が離せなくなり
頭の切れる大学教授の頃も認知症になって以降も
ずっと凄まじい迫真の演技に魅了されっぱなしでした。
ただ心にひっかかったままになった場面があって
なぜ卓は施設に預けた父の延命治療について
最初拒んでいたのが肯定する心境になったのかとか。
最後の場面はどういうことを表しているかとか
義母は心の奥では父にどんな想いなのかなど
モヤッとしたシーンが分からないままなんですね。
タイトルの不在が何なのかは一つではなさそうだし
ストーリーの展開も混沌としてちょっと難解ですが
お時間が許す方はご覧になってみてください♪