古式写経会で静謐なひと時を

2024年6月11日(火)

240610kosha
今年も無事に古式写経会をおつとめしました。
仲間のお坊さんたち6名に準備から片付けまで
手伝っていただいて執り行うことができました。

ずっと続けて参加してくださっている方も
興味を持って新しくご参加くださった方も
皆さん喜んでいただけて有難いことでした。

書院に集まっていただき皆さん揃ったところで
今回は最初に携帯電話をマナーモードではなく
電源を切ってくださいとお願いをしました。

着信音が鳴らないマナーモードにしていても
着信があったときブルブルと震えている音が
周りの人にも聞こえてしまう環境なんですね。

もちろん私語も厳禁でもし用があるときは
静かに手を挙げて周りにいるお坊さんを呼ぶ
というのも皆さまにお約束いただいています。

お一人ずつ名前を呼ばれたら廊下に出て
塗香(ずこう)と触香(そっこう)という
お香のお作法で身体を上と下から清めてもらいます。

本堂に参加者全員が入ったら二人のお坊さんが
洒水(しゃすい)と散華(さんか)をして
本堂内を道場として清める儀式を執り行います。

いよいよ私を含めて7名のお坊さんが入堂して
しばらく写経がはじまる前のお勤めをしてから
灯りと紙と筆を皆さんの席に配っていきます。

覆子(ぶくす)というマスクを着けたところで
ゆったりしたお念仏やゆるやかな節付きの声明や
笙の音色が奏でられるなかで写経がはじまります。

私も皆さまの一番前で一緒に写経に勤しみました。
薄暗い本堂で蝋燭の明かりがゆらぐ中での写経は
筆をスムーズに運びづらいですが趣は最高です。

慌ただしい日常から離れた本堂に身を置き
いつもより特別に厳かな雰囲気に包まれて
静謐なひと時を過ごせるのはありがたいですね。

また来年も6月にこの古式写経会を執り行います。
ぜひお一人でも多くの皆さまにお運びいただき
一緒にご縁を結べることを心より願っています。