大切な人を偲んで過ごす最後の夜

2024年4月17日(水)

240417
お通夜では耳は最後まで聞こえているというので
棺の中にいらっしゃる大切な人のそばに寄って
名前を呼んで話しかけてくださいと伝えています。

お通夜のおつとめの後でそうした話をしたら
私が下がったあとの喪主さまのご挨拶のときに
親御さまへの想いについて語り始められました。

最初は特に何か話すつもりではなかったので
会葬のお礼と「後は近い人たちで…」という
お通夜でよくある挨拶をする予定だったけど。

先ほど和尚さんがぜひ話しかけてくださいと
言われるのを聞いたので少し話すことにします
と喪主さまがご挨拶の冒頭に切り出されました。

胸にこみ上げる何かがこぼれ出さないように
深呼吸したり大きく息を吐いたりしながら
気持ちを何度も落ち着かせながら話されました。

控室で私が親御さまの話を伺っていたときは
淡々とした感じで話をしてくださっていましたが
ご挨拶のときは言葉に詰まりながらでした。

具体的な思い出話を話し出したら泣きそうなので
今は話すのを止めておきますということでしたから
在りし日のお姿が思い浮かんでいたのでしょう。

棺の中の親御さまは喪主さまがご挨拶の途中に
在りし日の大切な思い出を想い浮かべてくれた
ということを喜んでくださっただろうと思います。

一人でも誰かと思い出話をしながらでもいいので
在りし日のお姿を想い浮かべたり語り合ったりして
最後の夜を大切にお過ごしいただけるといいですね。