笑ってもいいし涙してもいい

2024年3月19日(火)

240319
日にちが経てば傷や痛みが癒えていくように
大切な人をなくした哀しみも月日が過ぎれば
少しずつ癒えていくという言葉がありますが。

必ずしもそれが全てにあてはまるわけではなく
歳月が過ぎても哀しいものは哀しいものだし
辛く寂しくてもそれはそれでいいんですよね。

亡くなられて一年目のご法事が一周忌ですが
同じ一年という歳月が流れているはずなのに
哀しみの濃淡は違うと感じるご法事がありました。

先にお勤めした一周忌では皆さんにこやかで
あっという間だったけどまだ一年なんだと感じる
という気持ちを抱かれる方が多かったのですが。

後でお勤めした一周忌では皆さん涙を拭って
あれからもう一年が過ぎようとしてるけれど
まだそばに居るようだという方が多かったです。

先にあったお寺での一周忌はお勤めの前に
お子さまたちが走り回っていたのもあって
皆さんがにこやかな明るい感じだったんです。

ご法事のあと亡き方の思い出話を伺っていても
楽しいエピソードを皆さんが教えてくださって
笑ったりほっこりしたりする雰囲気でした。

後の一周忌はお宅に伺ってお勤めしたのですが
ご法事がはじまる前からこみあげてくる涙を
グッとこらえていらっしゃる方がおられて。

ご法事のあと在りし日の思い出に話が及ぶと
哀しみをたたえていた瞳に涙が浮かんできて
ハンカチで拭う方がそこここにおられました。

どちらも同じ日に同じ一周忌のお勤めでしたが
どちらもそれぞれ大切なひとを偲んでいらして
どちらもほっこりとした雰囲気を感じました。

ご法事でも笑いたいときは笑ってもいいし
泣きたいときはご法事で泣いてもいいんです。
亡き方はそのまま受け止めてくださいますから。