智者のふるまい〜法然上人御忌813回忌〜
2024年1月25日(木)
昨日ほどではないけど今朝も冷え込みが厳しく
夜のうちに薄く積もった雪はすぐ溶けたけど
時どき粉雪が舞ってくるような寒い一日でした。
今日はお念仏の元祖さま法然上人のご命日で
寒い中お参りくださった檀信徒の皆さまと
本堂で813回忌にあたる御忌をお勤めしました。
812年前の建暦二(1212)年の1月25日といっても
旧暦なので今の暦でいつなのか検索してみると
2月29日にあたるから実際には約一ヶ月先ですね。
最初に別時のお念仏をしてお勤めしたあとで
亡くなられる2日前に法然さまが遺された
一枚起請文を引用しながらお話をしました。
「智者のふるまいをせずしてただ一向に念仏すべし」
という一節が本文の一番最後にあるのですが
ここでいう智者のふるまいとは何を指すのか。
お釈迦さまの教えを深く深く学んでいたとしても
何も知らない人と同じ身であるという自覚を持ち
智慧ある者のように振る舞わないようにせよ。
というのが文字通りの受け止め方にはなりますが
もう少し言葉の意味合いを広げて考えてみると
自分を省みるよう問われているとも言えるでしょう。
年を重ねると一から考えることをしなくなりがちで
何ごとでも今までの経験や知識に当てはめてみて
自分の知っている何かに当てはめがちだと思います。
というのも脳が働くとエネルギー消費量が多いので
なるべく脳は省エネしたがるという面があるので
パッと何かに当てはめると脳は楽ができるんですね。
だから知らないものに触れるのが億劫に思えたり
新しいものに挑戦することを避けようと思ったり
ということが年々増えるのはある意味自然でしょう。
でもなるべくそうやって脳に楽をさせないで
常に初めてのことのように自分の頭で考えて
安易にラベル貼りをしないのは大事だと思います。
そうした心がけを普段からしていくことは
「智者のふるまいをせずして」という法然さまの
お言葉を大切にすることに繋がると思うんですね。
まぁ私自身がどれくらいできているかというと
ついラベル貼りをしてしまうことばかりなので
自分に言い聞かせたようなところもありますが。
でも自分ができていなくても他人様に申しあげる
というのも振り返りとしては大切だと思うので
今日の813回忌の御忌で皆さまにお話しました。