泣けなくて冷たい人に思えてたけど

2024年1月5日(金)

240105
卒業式とかお葬式のときに泣いている人を見ると
自分が置いてきぼりになってしまった感じがしたり
泣けない自分が冷たい人に思えてしまったりしました。

もしかして自分は無感動な人間なんだろうかとか
雰囲気が読めない鈍い人間かなという想いが巡って
嘘でも泣けたらいいのに…と思ったりもしたものです。

でも苦労して努力した人が偉業を達成したとか
ずっと想っていた願いが叶った物語に触れたとか
自分のことじゃなく他人のことなら泣けていたんですね。

自分のことって自分では分からないものですが
単に自分のことに鈍感なだけのような気もするし
こんな自分ってなんか変なヤツだなと思っていました。

ところが祖母のお通夜のときにあるお経の一節で
急に胸にこみあげてくる想いが抑えられなくなり
しばらくお経が読めないくらい号泣しました。

最近はお葬式でも涙がこみ上げてくることがあり
特に自分を育ててくださったお檀家さまのときに
不意に胸がつかえて泣きそうになることがあります。

敬愛するお坊さんに「お葬式をおつとめするとき
坊さんが泣くなんてダメだよプロなんだからね」
と教わったので泣かないようにしていますけど。

今日お世話になったお坊さんの本葬に参列したとき
お葬式のあと最高にステキな笑顔の遺影を拝したら
急に胸にこみあげるものがあって涙があふれました。

一番の正装姿ではちきれそうな笑顔をされていて
よくぞその瞬間を見事に写真に撮ってあったものだと
驚嘆した瞬間に在りし日のお姿が思い浮かびました。

この笑顔を写真に収めていただいていらしたのは
素晴らしいお人柄があってのことだと感嘆するとともに
この笑顔をもう拝めないのがとても寂しくなりました。

私もあんなステキな写真を撮っていただけるように
いつの日かなりたいものだと憧れる想いを抱きつつ
手を合わせて心よりお念仏を申してお別れしてきました。

高蓮社清譽上人純阿敬承眞光大和尚 願行円満荘厳浄土