お墓の構えも諸行無常で移ろう
2023年11月3日(金)
郊外の墓苑までお墓の開眼と納骨に伺いました。
故人は生まれ育った地元が大好きだったらしく
生前に自分のお墓を用意されていたのだそうです。
お墓はいわゆる洋墓という背の低い形のお墓で
竿石の前にお供えなど置ける場所が広く設けられていて
お墓の前面には線香をお供えする香炉があります。
その香炉の上に三本の溝が掘られた石が置かれていて
今まで見たことがないので墓苑の方に用途を尋ねたところ
お盆のお参りのとき木札を建てるものということでした。
広島ではお盆のお墓参りに盆灯籠を建てる風習があって
この頃は少しずつ盆灯籠が姿を消しつつあるとはいえ
このお墓には盆灯籠を建てる縦穴が用意されていませんでした。
というのもこの墓苑では初盆のときに限って
盆灯籠を建ててもよいことになっているけれど
翌年からは木札だけにしてもらっているそうでして。
その木札がお供えしても倒れてしまわないように
木札を建てておくために用意されているのが
この三本の溝が入っている石なのだそうです。
この木札用の石が置いてあるのを見たのは初めてですが
そのうちいろんなお墓にこの石のような木札を建てるものが
盆灯籠用の縦穴に代わって次第に広まっていくのでしょう。
お盆のお墓参りで盆灯籠が淘汰されるのは抗いがたくて
木札を建てるのが新たな風習となっていくのでしょうね。
盆灯籠が姿を消してしまうのは寂しい気がしますけど。
なんというかお墓の構えも諸行無常なんだなぁと感じました。