逢えないままのお別れ

2021年4月17日(土)

210417
新型コロナ禍でお葬儀の小規模化が加速しています。
「こういうご時世なので家族だけで…」と言われると
訃報を受けても弔問するのを遠慮してしまう方が多いです。

いろんなご事情でお葬儀を小規模化されているのでしょうが
新型コロナの流行はある意味で好都合な言い訳になっていますね。
そのためお顔をみてお別れできる機会が激減してしまいました。

就職当初からお世話になった上司が容態を悪くされて
お見舞いに伺えないままでいたら逝去されてしまったのですが
家族葬だったのでお別れができなかったという話を聴きました。

後から聞いたところでは幾人かは参列されたということだったので
それならば自分も行ってお別れがしたかったんだけど…と。
そんなこともあってモヤモヤした気持ちが拭えないでおられました。

亡くなられたけれど逢えないままのお別れになってしまうと
「あいまいな喪失」という喪失した確証のない不確実な状態になって
よくわからないままに気持ちが揺れ動いて心が不安定になりがちです。

お線香を手向けたいけどお宅へ伺うのはためらわれるというので
ご遺族にお葬式は遠慮したのでせめてお墓を教えてもらって
お花とお線香をお供えしてお参りされてはどうかとお伝えしました。

昔からさまざまな形で執り行われている儀式には大きな力があります。
お葬儀は亡くなられた方とのお別れしていくとても大切な場ですが
お葬儀の代わりとなる場を敢えて設けることも時には必要ですね。