ありのままを受け入れられたら

2020年10月24日(土)

201024
ご法事をおつとめする前にお家の方と少し雑談していたときです。
関西圏に暮らす娘さまがお母さまの思い出を聞かせてくださいました。
もっとお世話してあげたらよかったのかなと後悔の念が残っている、と。

お母さまは病床のお父さまのお世話を14年間されて看取られていたそうです。
それを思うと娘さまはお母さまのお世話ができなかったと胸を痛めておられました。
「もっとお世話していたら・・・」と思うのはきっと自然なことだと思います。

お母さまは娘の世話にならずに自分だけで大丈夫と独り暮らしを通されました。
大病を患われた後もご自宅に戻られたので毎月お宅へお参りに伺っていました。
「近所の人も良くしてくれるし独りがいいんですよ」と私も聞いていました。

「お世話したかった娘さまのお気持ちは有り難く感じてくださるでしょうが
自分を責めて苦しまなくていいよとおっしゃるんじゃないでしょうかね」と申したら
「そうですかね、そうなのかも知れないですね」と娘さまは遠くを見つめられました。

自分の思いを大事にしながらも思いに固執せずスッと手放せたときには
相手のありのままの思いをもスッと受け入れられるのだと思います。