梅の花に深めて味わう姿勢を思う

2020年2月8日(土)

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万葉集の「初春の令月にして気淑く風和ぎ」から選ばれた元号。
その令和となって初めて咲いた梅が満開の頃を過ぎたでしょうか。
風に舞った花びらが散り落ちているのを見かけるようになりました。

今のビルのお寺になる前からあった梅を移植した古木の梅でして。
ここ数年は枯れそうな弱り具合でほとんど花が咲かなかったのですが。
今年は鈴生りに蕾をつけてたくさんの紅梅が咲き誇ってくれました。

昔から日本にあった花といえば山に咲く桜だったのだけれども。
中国から持ち込まれた梅の花は桜に似た姿で良い香りもして。
当時はまだ珍しく貴重だった梅が太宰府で貴人たちに好まれていた。

そうした背景があって大伴旅人の序分が万葉集には編まれている。
平成が終わる直前に中西進先生から拝聴した言葉を思い出しています。
表面的な様相だけでなく背景まで深めて味わう姿勢を大切にしたいと思います。