後ろ姿で伝えられるように

2019年8月2日(金)

190802
本堂の奥で用事をしていたら扇風機の音が聞こえてきました。
誰だろうと思って様子を見に行ったらご高齢のお檀家さまでした。
5日のお約束が今日だと思ってお寺にお越しになったようです。

せっかくお参りくださったので3日早いですがお盆のおつとめをしました。
電話でお約束をしたときにうまくお伝えすることができなかったようです。
5日(いつか)と2日(ふつか)ですから響きが似ていなくもないですね。

お一人暮らしの方で耳が遠くなってこられていらっしゃいます。
物忘れも激しくてコンロに火を掛けているのを忘れてボヤになったこともあるそうです。
それでもお子さまに頼るわけにいかないのでお一人暮らしを続けていらっしゃいます。

でもお寺参りをしようというお気持ちはずっと確かに持っておられます。
おつとめが終わってからもじっとご本尊さまを見つめて手を合わされています。
仏さまのお顔が亡きご主人みたいに映って見えるのだということです。

「本性が出るというからボケられぬ」というシルバー川柳がありました。
年を重ねて物忘れが進んだときに私は手を合わせることを忘れずにいるだろうか・・・
お参りになったお檀家さまのように後ろ姿で伝えられるようでありたいものです。