自分だけのお経本に輝く目
2019年2月23日(土)
最近では珍しく初七日の当日にお宅へお参りに伺いました。
三世代のご家族皆さまにお経本を一冊ずつお渡ししました。
振り返ればその時から少し予感めいたものを感じていたのです。
おつとめを終えて皆さんはお経本を返そうとされた時でした。
幼い孫娘さんがお経本をぎゅっと握りしめているのです。
お祖母さまに促されても嫌だという顔をされていました。
「大丈夫だよ、それはあなたにあげるからね」
そう言うとキラキラと目を輝かせてパァっと顔が晴れました。
自分だけのお経本がどうしても欲しかったようです。
実は三人娘の一番下の彼女が一番大きな声でお経をあげていました。
振り仮名をたどたどしく読む声が後ろから聞こえていました。
だからおつとめが終わったら是非とも彼女に差しあげようと思っていたのです。
彼女だけでなく皆さんに一冊ずつお経本をお分けしました。
「夜にまたみんなでお経をあげようね」とお祖母さまがおっしゃいました。
小さな孫娘さんも嬉しそうに「うん、そうしようね」と。
小さなお子さまに手を合わせる習慣を身に付けてもらうのは祖父母の役目だと言われます。
実際に目の当たりにするご縁に巡り逢わせていただけたのは有り難い限りです。
お子さまたちが手を合わせるのを喜ぶ人に育っていくことを心より願っています。