次を育めるよう努めていく

2018年11月3日(土)

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親御さんのお葬儀で初めてお寺やお坊さんとご縁があったという方に伺った話です。
亡くなられた衝撃に慣れないことが多いしバタバタとした中でいろんなことが過ぎていらして。
お通夜のときに何かお坊さんの話を聞いた気がするけど何も覚えていらっしゃいません。

遠慮がちに「ところで私の父はいまどこかにいるのでしょうか?」と尋ねられました。
お家のご宗旨が浄土真宗さんでしたので極楽浄土にいらっしゃることでしょうとお答えしました。
「はぁ、そうなのですか。実はずっと不安だったのですが、安心しました」と。

ほとんど仏縁に触れることがなかった方にはお通夜もお葬儀もすべてにおいてわからないことだらけです。
何のためにこのお勤めをしているのか、それにどのような意味があるのか、訳も分からず執り行われてお布施が要ると言われたら・・・
医療現場でのインフォームドコンセントのように十分な情報の説明があったうえでの同意が仏事にもとても大切だと思います。

時間には限りがあるでしょうが意味合いや意義などを分かっていただけるよう丁寧にお伝えする方が法話よりも必要かも知れません。
花が咲いた後に実を結び種ができて次の命を育んでいくように手を合わせることも次の代を育めるよう努めたいものです。