お布施という行を行ずるご縁を

2018年10月20日(土)

181020
時どき駆け込みでご供養をして欲しいとお寺に来られる方がいらっしゃいます。
お菓子と手紙の入った封筒をお供えして欲しいとお持ちくださっていました。
ちょうどお寺に居るときでしたのでお話を伺ったあとで一緒におつとめをしました。

「そういえば料金はどうしたらいいですか?」
お帰りになるのをお見送りしていたときにふと尋ねられました。
特に決めていないので皆さんにお気持ちでと申しあげていると答えました。

あぁそうですかと呟いてエレベーターに乗って帰ってゆかれました。
その瞬間に遅ればせながらハッと気づきました。
先ほどの封筒にはお布施を入れていらっしゃらなかったのだ、と。

その方にはお尋ねへの答え方が足らなくてうまく伝えられなかったのを申し訳なく思いました。
お布施としてお納めくださるのを受けるのに金額は決められるものではありません。
金額を提示したらおつとめがサービス提供になってしまいます。

もし金額を提示したときに高いと思ったら仏縁に遇えるご縁を奪うことになります。
逆にそれくらいで良いのかと思って安く済んだと感じてしまったらご供養が粗末になってしまいます。
だからご供養としても丁寧に感じられる無理のない範囲で仏さまにお供えされるようお勧めしています。

ちなみに金額の多寡には一切関係なくいずれも同じく心を込めて精一杯におつとめしています。
だから失礼になったらいけないというようなお気遣いをされる場合にも金額如何で失礼になるようなことは一切ないと申し添えています。
ただしご親戚だったり周りの方にも相談できなくて全くわからないという方の場合には相談に乗ることもありますが。

今回の場合は、もう少し詳しくお布施というものをご説明するべきだった…と反省しています。
もしお布施を料金と思ったままでお帰りになったとしたらお布施という行を行ずるご縁を持っていただけるよう伝えきれなかった訳でして。
ついパッと「お気持ちで」と言ってしまうことが多いので、伝え方には気をつけたいと思っています。