インターフェイス・チャプレンシー【臨床仏教師養成ワークショップ 第5講】

2018年7月3日(火)

臨床仏教師養成のワークショップ第5講を受けてきました。
高木慶子先生の「インターフェイス・チャプレンシー」です。
カトリックのシスターで日本のグリーフケア幕開けの先人でいらっしゃいます。

「レベルの高く質の良さを追う現代人が宗教家に求めるものは欲の節制と節度」
「不安も恐怖も心配も痛みも辛さも受け止めて共有できる人がいて耐えられる」
「自分の宗旨の言葉ではなく人間性を持った言葉で話しかけていくのが宗教家」

ともかく魅力的でチャーミングなお人柄が言葉や振る舞いの端々からにじみ出ておられます。
厳しい内容やきつい話題でもしんみりし過ぎないで、どこか明るさや愉しさを持ったお話しぶりでした。
もし私自身が余命宣告されたとしたら是非とも傍で話を聴いてくださるようお願いしたい方です。

神や仏から賜った恵みや慈悲を持っているのが宗教家だけど宗教性を持たないケアが求められているとおっしゃいました。
でも「私はキリストに代わってあなたを赦します」という懺悔(ざんげ)には大いなる救いがあるともおっしゃいました。
おつとめの中で仏さまの前で自らの悪い行いを懺悔(さんげ)するのも似ているようで違いがあるのは興味深いです。

偉そうなことを他人様に向かって申しているのではなく、自分が自分に話しているのを聴いてもらっているだけ。
違いを受け入れて豊かになるためには自制心と節制が肝要で、時には何もなかったかのように耐えることも必要。
苦しみは比べてはいけない、入っている器が違うだけで、皆あふれそうなくらい満々としているのは同じだから。

一つ一つのお言葉から考えさせられたり深く納得したり教えられたりすることだらけでした。
声は聴くのではなく観るものだから、それだけ集中して観るかのように聴き入ること、というのも心に刺さりました。
神さま仏さまが私に与え導いてくださった今日のご縁を心から有り難く思いました。