お布施にまつわる悩み
2018年2月27日(火)
お布施について「ぶっちゃけ、どのくらいにすればいいですか?」と尋ねられることがあります。
ある程度でいいから明確な数字を知りたいということだというのはとてもよくわかります。
失礼がないようにというお気遣いをいただいていることはとても有り難く思います。
でも、いつも悩みながら、そして申し訳ないと思いながら、具体的な数字を言えないでいます。
一つには、人によっては具体的な金額が高すぎると感じる場合があるからです。
そうしたら頼みたくても頼めないと思ってしまわれるのを絶対に避けたいからです。
一人でお子さまを抱えてギリギリの生活をされている方とご縁がありました。
出来る範囲で構わないという言葉に「よかった安心した」と言われました。
そしてご自分で納得されるお包みを用意してお供えしてくださいました。
もう一つには、人によっては「思っていたより安くすんだ」と感じる場合もあるからです。
そうしたら亡き方へのご供養を丁重につとめてもらったと感じられない可能性があります。
だからケチったとか安かったとか思わないくらいにお包みしてください、とお伝えもしています。
先ごろのお葬儀では平均的なお布施よりも遥かにたくさんのお包みをお供えいただきました。
お通夜で喪主の息子さんに「不躾ながら・・・」と尋ねられて「納得される範囲で丁重に・・・」とお返事したことによると思います。
もし平均的なお布施を具体的にお伝えしていたら「そんなに少なくていいのか」と思わせてしまっていたかも知れません。
お布施の金額しだいで、おつとめの内容が変わることもなければ、丁寧さに差を付けることもありません。
時には中身が空っぽなのに気付かず渡してくださることがありますが、こちらからは「入ってなかった」とは申していません。
(後から「すみませんでした!」と気付いて改めてお渡しくださることがほとんどですが!)
とは言え、ある程度の範囲だとか明確な数字が知りたいというお気持ちは、個人的にもよくわかります。
ですが、それが高いと感じたり安いと感じたりすることがあったら布施の別名の「喜捨」ではなくなってしまいます。
こちらとしても何かと悩ましい限りですが、やはり具体的な数字を言えない日々が続きそうです。