見えているものから見えないものを想像する

2018年2月17日(土)

180217
先月27日より平和大通りで屋外の芸術展「Hiroshima ARTery」が行われています。
遠目にも目立つ作品が並んでいる中でとても気になっているのがこの「泥足」です。
広島市出身アーティストの久保寛子さんが手がけられた作品です。

組み立てられている最中は何が出来上がるのかわかりませんでした。
骨組みが組み上がる途中で足かなと思っていたら網がかけられはっきりしました。
巨大な足が置かれているのを見て想いをよぎらせたのがバーミヤンの巨大石仏です。

目の当たりにするご縁のないまま哀しいことに爆破されて拝めなくなりました。
巨大な石仏が刻まれた背景に想いを馳せて思い浮かぶのは観無量寿経です。
圧倒的に膨大な数値でもって阿弥陀仏のお姿を観想する方法が説かれています。

足首から下しか見えていないことでかえって巨大な全身が想像されます。
孫悟空が金斗雲に乗って世界の果てで見た柱がお釈迦さまの指だったという故事みたいです。
もし見えていない全身が見えたらどんな風に眼に映るのだろうかと想像の羽を羽ばたかせると楽しくなります。

現に身の回りで自分が見ていると思っているのは、本当の姿の一部だけ、ということあるかも知れません。
その反対に見ているものが、本当には存在していない、ということもあるかも知れません。
いろいろなことに思いを巡らせられるアート作品を見るのはとてもワクワクさせられて楽しいものです。

お近くにお立ち寄りになる機会がありましたら、ぜひ足を止めて鑑賞してみてください。