入り混じりと移り変わり
2017年9月30日(土)
納骨に同行した墓苑の彼岸花が盛りを過ぎつつありました。
先師の栄花不保というお経の一節をまとめた言葉が頭をよぎりました。
今日で9月も終わり明日からは10月に入って衣替えを迎えます。
それなのに郊外の山手にある墓苑では法師蝉の声があちらこちらで聞こえました。
自然界では季節の変わり目は夏と秋とが入り混じっているものなのでしょうね。
納骨をされたお墓の墓誌にも入り混じっているものがあることに気づきました。
その墓誌には明治以降のご先祖さま方の戒名と法名が刻まれていました。
浄土宗でしか授けられない戒名の方から始まっていました。
途中に浄土真宗の和尚さまから授けられた法名がいくつかありました。
実はこうした例は今回が初めてではありません。
広島は安芸門徒が9割という状況にあるからかも知れません。
何軒ものお宅の過去帳で、浄土真宗の法名が混じっているのを目にしたことがあります。
それは浄土真宗の法名が独特だから目に付くだけなのかも知れません。
日蓮宗や浄土宗でも西山系の場合は気づきやすいポイントがあるので何となくそうかなと思います。
他方、曹洞宗や真言宗で授けられた戒名は違いがわかりにくいので気づかないだけかも知れません。
これから先は宗派へのこだわりがあっという間に薄れていく方が増えるでしょう。
昨夜の坊主BARでも宗派を選んでもいいという話題が出てくる場面がありました。
さらには菩提寺ではなくて「このお坊さん」という風潮が強まりそうだとも話していました。
そんな流れに取り残されたり乗り遅れたりしないで選ばれる身でありたいものです。