本当のことって何?

2017年9月25日(月)

170925
先日とても興味をひかれる映画が封切られました。
是枝裕和監督による『三度目の殺人』です。
居ても立っても入られず観てきました。

観終わってからずっともやもやしています。
いろんなことをあれこれと考えてしまいます。
まさしく是枝監督の思惑通りです。

あまりにも知りたいこと探りたいことが残りすぎてパンフレットを買いました。
隅から隅まで読みましたが、肝心なことは書いてありませんでした。
というか、読んでいくうちに、それは肝心なことではなかったと思うようになりました。

そして9年前のことを少しずつ思い出そうと振り返りはじめました。
このお寺でお坊さんの青年会の研修を企画し実施したことでした。
テーマは「この私が人を裁くとは?〜裁判員として刑事事件の刑罰を量る〜」でした。

地裁書記官に裁判員制度説明会をしていただきました。
浄土宗の先生に「浄土教学から見た罪と罰に関する考察」をご講義いただきました。
また別の先生に「凡夫が凡夫の罪を罰することへの考察」をご講義いただきました。

幸いこれまで私は裁判員制度は自分とは縁がないままでいられました。
そのため自分とは関係ないものと思うようになってきていました。
しかしこの先もずっと縁がないままでいられるとは限らないと改めて思いました。

もしもそんな事態が起きてしまったら、私は一体どうしたらいいのか。
本当のことを知らない裁判官と検事と弁護士に主導されて裁判員として審理に加わる・・・
真実はどうだったのか、本当のことは誰も知りようがないかも知れないのに。。。

この是枝監督の映画を観ているのと観ていないのとでは違ってくるでしょう。
そして私はこの映画を観て、もやもやして悩んで、とても良かったと思います。
これはお時間を捻出してでも観ていただきたい映画です。