信頼感が薄れていく

2017年9月1日(金)

170901
ある女性から墓じまいの相談を受けたときのことでした。
遠方にあるご実家のお墓を受け継いでお参りをしていらっしゃいます。
子どもたちも帰省してきた時には必ずお参りに行ってくれているということです。

でも彼らに自分たち夫婦の両家のお墓を引き継がせる訳にはいかない、と思われています。
なるべくならご実家のお墓は菩提寺でお世話になる形を、と考えていらっしゃいました。
ところが、最近お寺とやりとりをしているうちに、その考え方を改めたのだそうです。

遺骨と白木位牌をお寺で預かってもらっていたのがお寺の中で情報が伝わっていなかったこと。
塗りの本位牌を用意すると言われていたのに四十九日のときには用意されていなかったこと。
お寺の都合で午後になった法事に行ったら猛暑のなか本堂が閉め切られてしまっていたこと。

お寺さんの肩を持てるような状況ではないと思っていたら、ご不満は続々と出てきました。
いつ頃からかお寺の墓地にお参りしたとき花殻を持ち帰らないといけなくなったこと。
墓参の人向けのお手洗いがいつのまにか無くなっていて使わせてもらえるのがないこと。

墓じまいの相談を伺っているうちに、離檀の相談を伺っているような話しぶりになりました。
ご先祖さまがお世話になってきた菩提寺であっても今では信頼感が薄れていきつつあるようです。
離檀については、まずは丁寧に関係各方面と話し合いの場を持たれることをおすすめしました。

お寺離れが話題になる背景には、こんなお話がいろいろ潜んでいるのでしょうね。
失った信頼を取り戻すことは滅多にできることではありません。
そういう事態にならないよう、常に心がける努力を怠らないこと、肝心ですね。