ありがとうスジャータよ 2017年7月29日(土) 「ヒットラーは死んだ後はどうなったんでしょうね?」たまたま乗せていただいたタクシーの運転手さんに質問されました。お坊さんと分かったから聞いてみたかったようでした。 「仏さまならおわかりになるでしょうが私にはわかりようがありません」とお返事したら不思議なことに納得していただけたようでした。運転手さんはどう思っておられるのかお尋ねしてみました。 「最後はみんな愛に包まれるんじゃないかと思うんです」とのことでした。続けておっしゃった一言がよく理解できないなと思ったのですが、次の瞬間にハッとしました。「あれだけの数の命を奪ったのに最後に自分で命を絶つことができたんだから」 地獄や餓鬼の世界では、死にたくても死ぬことができません。身体を切り刻まれても鬼が「活々」唱えると蘇てまた責め苦が続く・・・奈良で見た国宝・六道絵の等活地獄の解説文を思い出しました。 この運転手さん、趣味で絵を描かれていらっしゃいます。降車際に自分で描かれた鉛筆画の写しを見せてくださいました。お釈迦さまがさとられた姿「ありがとうスジャータよ」です。 袖触れ合うも多生の縁、面白いこともあるものです。 シェア Tweet