縁あって手を合わせたけど
2017年7月27日(木)
道端に蜂の死骸かと思う個体が落ちているのを見かけました。
よく見たら羽化できなかった蝉の幼虫の死骸でした。
足を伸ばしておらずクルリと丸まった姿をしていました。
子どもの頃に蝉の幼虫が抜けた穴がキレイに開いているのを不思議に思ったものです。
先日、何かの折に文章を読んでその疑問が解決しました。
少し曖昧な記憶ですが、身体から出す水分で掘った土を周りに押し固めているから、とありました。
掘っていって減った水分の補給は木の根から分けていただいているということでした。
何年間も土の中で木の根のそばで地上へ出る時がくるまで過ごしているのですね。
中には17年とか13年に一度という周期で大量発生する種もいると聞きます。
この幼虫は背中がうまく割れずにぶら下がったままだった訳ではないようです。
もしかしたら木に登りかけて落ちた衝撃で亡くなったのでしょうか。
六年ほどの幼虫を経て地上に出てこられたのに羽化できなかったようです。
羽化できて空を飛べても2〜3週間の命ではあります。
それでも羽化できずに亡くなった姿を見ると哀しい気持ちになりました。
そっと手を合わせて南無阿弥陀佛とお念佛申しました。
でも、そのとき自分のワガママさにふと申し訳ないような気分になりました。
毎日数多の蝉が亡くなっていっているのにこの蝉の幼虫には手を合わせたのですから。
やはり毎日のおつとめでの三界万霊へのご廻向に改めて心を込めようと思いました。