戒名を読み解く　〜その１〜

恐らく誰もが映画やテレビでご覧になったことがある方が授かった戒名です。
この「優月院漣奏球孝信士」はどなたの戒名か分かりますか？

お寺のポータルサイト「まいてら」でオンライン「戒名カフェ」を開催します。
その中で有名人の戒名を紹介する「戒名を読み解く」コーナーを企画しています。
有名人の戒名にどんな想いが込められているのか試みに読み解いていくものです。

私がお葬儀で戒名をお授けするときは一文字ずつにさまざまな想いを込めています。
ということは戒名を眺めると込められた想いが読み解けるのではないかと思って
オンライン「戒名カフェ」ではお坊さんたちが実例を紹介するコーナーがあります。

でも具体的な人物像がイメージできない方だと戒名がその方に相応しいのかどうか
戒名として並んでいる文字それぞれの解説だけでは分かりづらいかも知れません。
そこで有名人の戒名を読み解くコーナーは戒名を考える参考になるだろうと思います。

これは俳優の大杉漣さんの戒名で、上から４文字目に芸名の「漣」が入っています。
特徴的な字ですから、すぐに分かったという方もいらっしゃることでしょう。
次に戒名を分解すると院号・道号・戒名・位号の４つに分けることができます。

「優月院」……これは院号で、社会的功績やお寺への貢献を鑑みて授けられるものです。
「漣奏」………これは道号で、現代はほとんどの方が授かっていらっしゃいます。
「球孝」………本来はこの二文字のみが戒名ですが、全体を戒名と総称することが多いです。
「信士」………これは位号で、「信女」「居士」「大姉」など戒名の下に添えられるものです。

さて、「漣」というのは芸名から授かったものということが一目瞭然ですが
他の「優」「月」「奏」「球」「孝」の５文字はどのように読み解けるでしょう。

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「優」………これは「優」しい眼差しやお人柄をイメージして授けられたのだと思います。
「月」………映画やドラマで主役を照らす名脇役だったので「月」が添えられたのだと思います。
「漣」………芸名の「漣」です。雅号や俳号などをお持ちの方はここに入ることがよくあります。
「奏」………主な趣味が音楽とスポーツで、音楽はエレファントカシマシのファンであり
　　　　　　ギターやブルースハープでフォークソングを演奏されていたそうです。
「球」………高校時代はサッカー部に所属し、地元徳島ヴォルティスの熱狂的ファンでした。
　　　　　　国内リーグも海外リーグも精通し、ゲスト解説も多数つとめられました。
「孝」………戒名には名前の一文字を入れることが多く、ここに本名の「孝」が添えられています。

いかがでしたでしょうか。
有名人の戒名を試みに読み解いていくと、戒名の成り立ちがよく分かります。
ひいては、自分の戒名を考えてみるとき、とても参考になることでしょう。

まいてらでは、2021年10月10日(日)、10月25日(月)、11月4日(木)と、３回にわたり
お坊さんたちと戒名について話すことができるオンライン「戒名カフェ」を開催します。
ぜひ一度あなた自身にふさわしい戒名を自分自身で考えてみませんか。

生前戒名のご相談をご希望の方は、住職までご連絡ください。
具体的にいろんなお話を伺って一緒に考えます♪