宗教課税が行われる日

2017年8月31日(木)

170831
『寺院消滅』という衝撃本の著者・鵜飼秀徳師の講演も拝聴するご縁がありました。
講義内容については個人的にはそれほど衝撃的ではありませんでした。
実は講義前夜に初対面ながらゆっくりお話をできた時の話題の方が興味深かったです。

ジャーナリストや記者などの眼から現在の宗教法人を取り巻く状況を教えていただきました。
エンディング産業が活況を呈している中にあって宗教法人への課税が始まりつつあるようです。
非課税の宗教行為と課税される宗教的営利行為の境目が段々と宗教行為側に寄ってきている感じです。

都心で田舎のお寺が仏壇屋と提携して宗派不問の機械式納骨堂を設置している例は営利色満載ですね。
最近流行りの永代供養墓や納骨堂も送骨を引き受ける形では認可されない方向に進んでいるようです。
世の中の需要に応えているようでも宗教行為とは認められなさそうな事例は多々あるのだそうです。

お檀家さんに限るというのは宗教行為なのですが、来るもの拒まずだと営利という扱いになる例が増えそうです。
そうした流れはやがて一般のお寺にも押し寄せてくるだろうということですから何かしら早めの対策が肝心でしょう。
一つのお寺に縛られずに自由に渡り歩きたいという世の中の潮流とは逆行する傾向になるのは悩みどころですね。

いつの日にかお葬式やご法事でのお布施の何%かは国に納めるという時代がくるかもしれません。
宗教行為とサービスとの境目は、お坊さんやお寺の意向とズレていく可能性が出てきつつあるのでしょうか。
ともかくお施主さん側に宗教行為をご納得いただけるように一つ一つを丁寧に執り行い続けることしかありません。