頭の中を巡る露の命

2017年8月9日(水)

170809
スクーターで信号待ちをしていたらアブラゼミが飛んでくるのを見かけました。
少しフラフラしていて危なっかしいなと思ったら歩道に落ちていきました。
体勢が悪いまま着地したようで仰向けになってしまいました。

羽を少しバタつかせましたが、どうやら弱っているようでした。
仰向けに戻してやりたいところですが信号が間もなく青に変わりました。
剃髪頭なので髪はありませんが、後ろ髪を引かれる思いで立ち去りました。

朝(あした)に開くる栄花(えいが)は夕べの風に散り易く、
夕べに結ぶ命露(めいろ)は朝(あした)の火に消え易し。
これを知らずして常に栄えん事を思い、これを覚らずして久しくあらん事を思う。

スクーターで走りながら法然上人の御言葉が脳裏をよぎりました。
無常の風は隔てなくて露のような命は儚く消えるもの。
頭で理解していても自分とは縁がないものと思いがちですね。

そんなことも慌ただしさにかまけてすぐ忘れてしまっていました。
でも夜に降った雨が葉の上に露の玉となっているのを見て再び思い出しました。
そうやって心に浮かんで、すぐまた消えて、を繰り返してばかりです。

お盆だから余計に感傷的なのでしょうか、今日はそんなことが頭を巡っていました。