せめて戒名を授けてもらいたい

2020年7月9日(木)

200709
いま新型コロナウイルスの影響で海外渡航が思うようにできません。
渡航先が入国を許さない場合もあれば日本に帰国するのも難しい場合もあります。
そのため大事な人とのお別れに立ち会うことが極めて困難な状況です。

多くは海外で亡くなられたらご遺体を搬送して帰国させられていました。
あるいは現地に赴いて現地で葬送の後にご遺骨を連れて帰られていました。
でも今は亡き方との最期の面会すらできなくて写真で拝見するのがやっとだそうです。

もし現地で荼毘に付すとご遺骨が帰国できるのは何年先になるかわからないらしく
ご遺灰にしてもよいなら手元に戻らないけど現地ですぐ葬ってくれるということで
現地でお世話をしてくれていた人に頼んで丁重に葬送いただかれていました。

何がどうなっているのか分からず未だに信じられなくて途方に暮れておられます。
でもご自分がいまできるのは、戒名を授かって供養をしてやること、と思われて
ご相談を受けたので戒名をお授けしてお葬儀と四十九日法要を執り行いました。

ご持参されていたご遺影はしばらく前のお写真で今より結構若そうな感じでした。
「これが私の中で一番あの子らしいと思うんです」とおっしゃいましたので
「そうですね、それがいいと思います」と応えると恥ずかしそうに笑っておられました。

 先立たば おくるる人を 待ちやせん 花の台に なかばのこして  南無阿弥陀佛