私の知らない祖父母の姿

2017年6月1日(木)

170601
お寺にお立ち寄りくださる方はいろいろあります。
先日、老僧を尋ねて来られた方がいらっしゃいました。
50年くらい前にお寺の法話会に通っていらした方でした。

当時中学生で同級生の祖父に誘われて初めて来られたそうです。
山本空外師の月例法話に引かれて通い続けていらっしゃいました。
しかし高校卒業後は足を運ばれることがなくなられていました。

もっと前からお寺に立ち寄ろうと何回となく思われていました。
でも檀家でもないので用もなく尋ねるのは気が引けていました。
それが、どうにも来てみようと思われたということでした。

テレビでスバル360を再び走らせる特集をご覧になりました。
かつて私の祖父に乗せてもらったことを懐かしく思い出されました。
他にも昔を思い出されることが重なり、意を決して来られたのでした。

祖母が言った「蓋を開かにゃいかんのよ」が耳底を離れないそうです。
久しぶりに祖母に会ったら何を言ってもらえるかと思って来られました。
ところが遺影を目にして願いが叶わないことを悟られました。

老僧の代わりにお出迎えしてから3時間の長話になりました。
私が生まれてくる前の祖父や祖母の話をいろいろ教えてくださいました。
話をしているうちに止まらなくなってしまった、ということでした。

最後におっしゃった言葉が印象的でした。
「お祖父さんが若かった頃、きっとあなたみたいな感じだったのだろうね。
 あなたはお父さんよりもお祖父さんによく似ているよ。元気でね。」