自分を責めなくてもいい
2017年5月30日(火)
ご縁に導かれてご主人のお葬儀を執り行った奥さまの話です。
先ごろ菩提寺さまで一周忌をおつとめして来られました。
でも祥月命日に手を合わせたいとお寺に足を運んで来られました。
阿弥陀さまの前でご一緒にお念仏してご回向しました。
おつとめの後で、今どうされているのかお尋ねしました。
電話をいただいた時に何となく気になったからでした。
ぽつぽつと語りはじめられるうちに止まらなくなりました。
あの人にもっと優しくしてあげていたらよかった・・・
そうしたらこんなに早く別れなくてすんだんじゃないか。。。
この一年ほどずっと思い悩まれていらしたのだそうです。
何もしてあげられなかった自分がくやしくてたまらなかったり。
良くないとわかっていても止まらないご主人に腹が立っていたり。
どうにもやるせなくて行き場のない想いをご自分に向けられていました。
ご自分を責めることしかできなくて、でもそれが辛くていらっしゃいました。
お話を伺っていて、ご自分を責めないでいられたら少しは楽になるのに、と感じていました。
それでも話していかれるうちに少しずつ落ち着いてゆかれました。
話すことでご自分のことを見つめ直すことができたご様子でした。
最後は、こんなに自分を責めなくてもいいのかな、と思うようになったそうです。
「話を聴いていただいてスッキリしました。何だか元気が出てきました。
主人と一緒に楽しい時間を過ごせなかったのは今でもとても残念です。
でも、これからは少しずつ楽しいことを見つけられそうな気がします。」
帰って行かれる時のお顔は、お寺に来られた時とは比べものにならないくらい晴れやかでした。