亡き方を想うが故に気になること

お一人でお参りされた方のご法事をおつとめしたら涙を流されていました。
お子さまのいらっしゃらないご夫婦でいらしたのが独り残された方でした。
思いがけずに独りになったことは途方もなく淋しいことなのでしょう。

胸の内をお聞かせいただいているといろいろなお悩みを抱えていらっしゃいました。
そのうちの一つがお位牌はどのくらいまでに作らないといけないのか、ということでした。
四十九日までにはと思っていらしたのですが日にちばかりが過ぎてしまわれたようです。

というのもこれまでお宅にお仏壇がなかったのでお仏壇を買うのと一緒にと考えておられます。
しかし狭い家だからどこにどのようにお仏壇を置こうかと迷って決めかねていらっしゃいます。
だからお位牌だけでも先に作るべきかどうか気になっている、ということでした。

これ！というお仏壇に出会うまで急がなくても構わないですよ、とお伝えしました。
決して忘れているわけでもなく粗末になさっているからでもないので大丈夫ですよと添えて。
いつの日かご縁が整ったときにはお気に召すお仏壇にもお位牌にもお出逢いされることでしょう。