怒りや恨みが湧いてくるのは
2026年5月22日(金)

長年にわたり許せなかった相手が亡くなったあと
はげしい怒りや恨みが絶え間なく湧いてくる方がいて
会うたびに昔の話を聞かされる、という話を伺いました。
生前に相手からされ続けてきたことが許せなくて
本当はずっとずっと苦しかったけれど、相手には
何十年ものあいだ何も言えなかったのだそうです。
言ったら自分がみじめになるような気がして
どれだけ悔しくて悲しくて腹が立ってしかたなくても
飲み込んでただ耐え続けるしかなかったのでしょう。
ところがその相手が亡くなったあとになって初めて
怒りや恨みを言葉にして口にできるようになり
あふれる感情が止まらなくなっているそうです。
それほどまでに激しい怒りや恨みが湧き続けるのは
それだけ心の奥深くまで傷ついていたということでも
あるのでしょうから自然な反応なのかもしれません。
いつまでも怒り続けたり恨み続けたりするのは
実際には相当なエネルギーがいることですから
続けていくのは気力的にも体力的にもしんどいでしょう。
一方、人間の記憶というのは不思議なもので
過去にあった出来事そのものは変わらなくても
自分の中にある意味づけは変わることがあります。
自分を守るためなのかどうかはわかりませんが
時が流れるにつれて少しずつ自分なりの意味づけが
変わっていくということだってあるでしょう。
これまで長いあいだずっと押し込めていた感情が
やっと表に出てこられるようになったことが
気持ちを解きほぐしていくはじめの一歩だと思います。
もちろん強い怒りや深い恨みを抱え続けるのは
とてもしんどいことでもあるので、少しずつでも
その想いが軽くなっていけたらいいですよね。
怒りを吐き出せるようになったことが一歩目で
いつしか抱え続けなくてもいいと感じられたら
心も少しずつ軽くなっていくのだろうと思います。
その先に、いつの日か恨みや怒りが少しずつ
静まっていく日が来てくれるといいなぁ…と
お話を伺いながらそんなことを感じていました。