最後に独り残るということ

2026年2月25日(水)


先ごろお檀家さまのお葬式をおつとめしました。
百歳を超えるご長寿だった母さまが亡くなられて
お葬式をおつとめしたのが約1年前のことでして。

残された家族は独り身の息子さんお二人だけで
弟さんのほうがお母さんの身の回りのお世話を
6年間にわたりご自宅で介護されていたのですが。

弟さんは昔から内臓の持病を持っていらして
一人でお母さんのお世話をされていた6年間は
病院での検診は受けておられなかったそうです。

それもあってお母さんが亡くなられたあとに
体調が悪くなったので病院で診てもらったら
すでに病状が進んでしまった状態だったらしく。

診断した医師はそれでも治療を勧めてきたので
方針に従ってはみたものの状況は良くならず
痛みもうまく取れないまま亡くなられたそうです。

兄である喪主さまは一年もたたないうちに
母親に続いて弟さまも送り出されることになり
自分一人だけが最後に残されてしまいました。

いろいろと仕方がないことなので受け入れて
おられたご様子でしたが、一人ぼっちになると
いろいろと困りごとが増えたということでして。

体調を崩したとき救急車を呼ぼうとしても
同意書にサインしてくれる家族がいないので
病院に受け入れてもらうのが大変だったり。

持ち家と土地を処分しようと思っているけど
どこか次に住む家を借りようとしたときに
連帯保証人になってもらう人がいないため。

年齢的なこともあって家を借りづらいので
家と土地を処分したあとに住むところは
新しく購入しないといけなさそうだったり。

自分はこれから先どのように生きていけば
いいのだろうか…と嘆いておられましたが
何と申しあげたらいいかわかりませんでした。

独りになって生きる人が増えていく一方で
医療や介護や住まいなどの制度や仕組みは
家族の存在を前提にしているのが現状です。

その隙間に取り残されていく人のために
お寺や坊さんにできることは何があるのか。
真剣に向き合わないといけない課題だと感じています。