体験を伝承して語り継いでいく

2025年12月3日(水)


昨日に続いて今日の午前中は県内浄土宗僧侶向けの
講習会の2日目でして、広島市が実施している
被爆体験伝承者の制度と伝承者の想いを伺いました。

1コマ目は広島市役所平和推進課の岡川知史さんから
本人に代わって語り継ぐことができる伝承者を
募集し養成している制度について実情を伺いました。

いま活動されている被爆体験証言者の皆さまから
実際に話を聴いてもらってから証言者と研修生が
交流会を経てからマッチングが行われるそうで。

どなたの伝承を受けるか決まったら何度も話を聴いて
自分が伝承して語る講話の原稿を作成してもらい
平和推進課で内容を確認して推敲を重ねるそうです。

それと並行して伝承体験を語っていくときに使う
プロジェクターで映す資料もつくっていきながら
一時間弱の講話の実習をしたのちに認定が出る、と。

最終的に広島平和文化センターから伝承者として
委嘱を受けて伝承者としての体験講話を始めるには
少なくとも3年がかりで養成研修が行われているようです。

坊さんも宗祖の教えを伝承して語り継いでいますが
ここまでの具体的な養成や研修は行われていないので
被爆体験伝承者の養成の話には学ぶことが多かったです。

2コマ目は昨年4月に被爆体験伝承者の委嘱を受け
先年亡くなられた川本省三さんの原爆孤児としての
被爆体験を伝承された井上つぐみさんのお話でした。

なぜ被爆者の証言を受け継いでいく伝承者の制度に
応募しようと思ったのかを聴かせていただきたいと
依頼したらセンターから推薦されたのが井上さんでした。

小学生のころから平和に関して興味を持つようなり
高校生平和大使を経て被爆者の体験や平和への願いを
伝える体験をしたことから伝承者を志したそうで。

現在初期臨床研修医として勤務されている傍らで
一年半で30回以上も伝承した体験を語ってきた
ということで、実際にそのお話も拝聴しました。

自身の平和への想いも込められた井上さんのお話は
とても心に響きましたし、想いをもって話を受け継いで
語り継いでいくことの大切さを学ばせていただきました。

今日の研修ではご参加の皆さまからたくさんの質問が
あったことをお二人の講師が驚いていらっしゃいました。
皆さまに喜んでいただけたことはありがたい限りです♪