難儀な道を歩んでいる母と子の話
2025年6月21日(土)
ある法事に一人だけ生徒さんが参列していました。
法事が終わったあと亡き方との関係性を尋ねると
故人さまは祖父ではなく自分の祖父の兄でした。
どんな方だったか覚えていますかと尋ねたら
故人さまの家によくみんなが集まって賑やかに
食事会をしていたのを薄ら覚えているそうです。
背の高い生徒さんは高校一年生の男の子で
高校になって部活でバレーボールを始めたけど
病気を患ってしまってバレーができないそうです。
見た目は元気そうなので何の病気なのだろうと
思ったら左膝のあたりが骨肉腫になったらしく
告知されたときは猛烈な不安に襲われたけど。
告知を受けたときに本人は心が張り裂けそうで
秘かに涙したけどそんな素振りは全く見せなくて
お母さんは後で本人から聴いて知ったようです。
ともかく問題の箇所を除去して骨盤の一部を
移植する手術は無事に成功してリハビリを始めて
少しずつ歩けるよう回復していったといいます。
高校では授業の合間に教室を移動するときに
素早く歩けない彼にクラスの友人が付き添って
一緒にゆっくり歩きながら移動してくれたり。
学校生活で困ることがないよう部活の友人が
何かと気に掛けて彼を支えてくれたりして
友人の優しさには本当に感謝しているそうです。
回復は順調で学校に自転車で通学することも
できるようになったし部活のバレーボールも
近いうちにジャンプしできるようになるとか。
順調に回復していくなかでも自転車のペダルを
最初にグッと踏み込む瞬間は膝に何かあったら
どうしようと不安な気持ちに襲われたらしく。
医者からジャンプしても大丈夫だと言われても
最初にジャンプする瞬間とか着地した瞬間に
手術した箇所に何かあったら…と不安だそうです。
法事に参列する子どもは自分一人だけだったし
法事の時間帯に部活の時間が重なっていたので
彼としては部活を優先させたかったようですが。
元気に回復している姿を心配してくれている
祖父母や親戚に見てもらおうと言う母の言葉に
従って部活を休んで法事に参列していました。
「でも住職さんに息子の話を聴いてもらって
優しい言葉をかけてもらえたので今日は来て
よかったね」という母の言葉に彼は頷いていました。
「辛い思いをした分だけ周りの人が辛いときに
心の内を慮ることができるから人にやさしい人に
なれるでしょうね」という言葉を彼に贈りました。
6年後の法事のとき彼がどんな人になっているか
また会えるのがとても楽しみなエピソードでした♪