ふとした違和感を過信しない
2025年5月17日(土)
お檀家さんから親戚が昨年末に亡くなったけど
戒名を授けてもらうことはできますかという
お願いがあったのでひとまず話を伺いました。
亡くなられた親戚というのは実家のご兄弟の
奥さまにあたる方になるということでしたが
生前にご本人が新宗教を信仰されていたらしく。
ご本人の希望もあったからとご家族としては
仏教のお坊さんを呼んでお葬式をしなかったようで
身内でお別れだけして荼毘に付されたそうです。
そのため現状では戒名を授かっていないので
位牌を作りたいけど戒名がないと困るらしく
ここのお寺から授けてほしいということでした。
お檀家さんのお墓に実家の兄弟関係にあたる
親戚も一緒に入るということになっているから
今後は私のお寺に法事を頼むつもりのようです。
仏教の戒を受けた証しとして授かるのが戒名なので
戒を授けていない方に戒名だけ授けるというのは
本義ではないですがご要望を承ることにしました。
次にご法事を頼まれて執り行うご縁があったら
後先でいうと事後になるけど戒をお授けしたら
結果的には戒名ということができるでしょうから。
時どき生前に戒名がほしいというご要望があって
ひとまずお授けだけすることもあるのですが
将来的に戒を授けるという予定を見越してのことで。
今回は既に亡くなられた方でいらっしゃるので
条件が全く同じというわけではないのですが
全体の流れということでは大枠は同じと言えます。
お葬式をしていないのに戒名だけお授けするのは
今回のお願いを聞いたとき少し変な感じがしましたが
改めて考え直したら変じゃない気がしてきました。
ふとしたときの違和感は大切にしたいと思いますが
違和感の裏に偏見とか思い込みが隠れていることに
気づけるようであるのも大切にしたいと思います。