ビヨンド・ユートピアは終わらない
2024年3月2日(土)
少し前に気になっていた映画を観てきました。
「ビヨンド・ユートピア 脱北」という作品で
先月末の上映終了前に滑り込みで間に合いました。
コロナ禍よりも前に撮影されたドキュメンタリーで
脱北する人を支援する韓国のキム牧師に密着して
実際に韓国へたどり着くまでを追った内容でした。
キム牧師が脱北支援に携わるようになったのが
たまたま脱北してきた人と出会うことがあって
それから支援の道に入っていったということで。
携帯電話に入ってくる脱北支援の依頼電話に
応対されているときの様子が淡々としていて
穏やかで堂々としていることに感心しました。
勢いで脱北した人たちが行く当てもなくて
中国国境付近で地元の人たちに身を寄せながら
ブローカーに率いられて逃げていくのですが。
陸路を徒歩や車に乗せられて逃げていく映像は
とても緊迫感に満ちていてピンチが迫ってくると
見ている私が思わず身体に力が入ってしまいました。
途中の隠れ家で脱北者がくつろいでいるとき
撮影チームのインタビューに答えて話す内容に
情報を統制される怖ろしさを強く感じました。
映画では脱北できた人もできなかった人も登場していて
脱北できた人たちが韓国にたどり着くことができて
最後のほうでは良かったと思える内容ではありました。
でも映画が終わっても脱北できなかった人については
その後はどうだったのだろうかと気になってしまって
知りたくて分からないままのモヤモヤが残りました。
あくまで映画として上映できる範囲の映像だったので
現実にはもっと過酷で厳しいことだらけだと思います。
どこに生まれるか選べないけどあの国でなくて良かった…
もし機会があれば観ていただきたいと思う映画でした。