身近な方から聴けるご縁を大切に

2024年1月9日(火)

240109
真宗の法名を授かった方のご法事をお勤めしました。
施主のご主人の母というのに名字が違っているので
ご事情を伺うと幼いころの話をしてくださいました。

昭和20年8月6日の朝に原爆が投下されたあと
ご主人のお父さんの行方が分からなくなったので
お母さんに付いてご主人も探して回られました。

恐らくこのあたりが職場だっただろうと思われる
場所のあたりで瓦礫をかきわけて探していたら
お父さんのベルトの一部が見つかったそうです。

原爆により夫を亡くしたお母さんは女手一つで
二人の子どもを育てようとされたそうですが
自分一人でも大変で二人の子は手放されました。

妹さんはお母さんのご実家が引き取っていかれて
ご主人は親戚の家に引き取られて育てられました。
幸いにも引き取られたのはとても親切な家でした。

ご主人が結婚されてこの話を奥さまにされたら
奥さまが「それはお母さんを探さないといけない
どんな事情があろうと実の母なのよ」と言われました。

親戚筋をたどってお母さんの行方を捜したところ
別れて数年後に再婚されていたお母さんと再会され
行き来もするようになり今はご法事もされています。

こうした話を聴くと他人事ではないように感じるので
戦争体験を聴かせてもらうご縁は大切にしたいです。
戦火に見舞われない日々が続くことを願うためにも。