意見が言えるのはいいけれど

2023年12月19日(火)

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塾の講師を長く続けている方とお話していたら
教える側として一緒に働く大学生さんたちが
少し前からちょっと変わった気がすると聴きました。

近い年齢の子どもたちを教えることになるので
服装はスーツに準じるようにお願いしているのに
長年働くベテランのカジュアルさを勝手に真似たり。

過去の経験に基づく教え方をするよう言っても
「いや、こっちの方がいいですよ」と言い切って
自分が正しいと思ったやり方で教えてみたり。

そういう大学生さんたちが急に大量発生して
注意しても従わないし何度言っても聞かないし
どうしたらいいかホトホト困り果てているようです。

その話を聞いていてふと頭に浮かんできたのは
型がある人間が型を破ると「型破り」だけど
型がない人間が型を破ると「形無し」という言葉です。

伝統芸能では立川談志師匠や中村勘三郎さんも
「型があるから型破り、型がなければ形無し」
という同じような言葉を残しているといいます。

学習塾は伝統芸能ではないとはいえ歴史はあって
服装であったり教え方であったりいろいろなものが
何かしらの「型」がある世界だろうと思います。

長年働いているベテラン先生が型を破るのであれば
ずっと築いてきた型があるので型破りとなりますが
大学生さんは型がないので形無しにしかなりません。

ということを話を聞きながら思い浮かんできたので
話して伝えたら「そうそう!それだ!」ということで
とても納得できてスッキリしたということでした。

積極的に自分の考えや意見が言えるのは良いことですが
自分が主張してばかりで他人の意見に耳を傾けなくて
話を聞けないというのは困ったものなぁと思います。